古い友人に会ったこと
Smokebeesから近日中に新しいお知らせがありますよ〜。どうかご期待ください。
さて、今日は、個人的な内容の日記になってしまいました。先日コペンハーゲンで友人にあったときの話です。
20代前半で、ぼくは初めてバンドに参加した。グラスゴーのポップスを透き通るような純度で再構築したバンドだった。思えばこのバンドに参加していなかったら、ぼくは今まで音楽をやっていなかったかもしれない。 いでさんはそのバンドでキーボードを弾いていて、ぼくをバンドに誘ってくれた友人だ。 いでさんはぼくにMoldy PeachesやKlimperei, John Bakerなどを教えてくれた。初めて作った曲を聞いてもらったり、練習の後に牛丼を食べたり、ツアーに同時に別々に寝坊して怒られたり、多くのことを共有した。 バンドを脱退してからは会うことが少なくなって、最後にあったのはいつだったか、一緒に見るつもりだったTara Jane O’nealの来日ライブが中止になり、急遽下北沢の安い居酒屋で一緒にビールを飲んだときだ。 先日、彼女がイギリスを旅行中で、コペンハーゲンに立ちよるというので、全く予想もしなかった北欧の地で、再会することになった。 僕らは今聞いている音楽や映像、映画、小説などを共有し、美術館にいき、街の写真をとった。普段は自分でもわからない心の深いところで感じているものを、手にとって見せられるような居心地の良い時間だった。彼女の見ている世界が垣間見える度に僕は素敵だなあと憧れたり、いでさんに見えるものを僕はどれくらい見えているのかなと思ったりした。これは昔から変わっていなかったけど、今はすごいなと憧れる気持ちが強くなった気がする。思いもよらないアイディアを簡単に口にするいでさん。ぼくの知らない悲しみを知っているいでさん。こんなにもわかるのに分からない世界をまとっているいでさん。 いでさんはこれからやってみたい表現について僕に聞かせてくれて、ぼくはそれをとても素敵だと思った。そこに何かしらの形で協力できることになったら、こんなに幸せなことはないなと感じた。これからも連絡をとろうと約束して、僕は帰りのバスに乗った。 僕は普段から会いたい人に会えない生活を送っているけど、憧れてしまうほどの友人とまた会えなくなるのは普段よりさみしいものだったな。
2016/12/5
Taku Sudo