"Imaginary Lights Never Fade" 制作ノート ③ -Tear Lake-
制作ノート第三弾、続いてはアルバム3曲目にして不穏な雰囲気を放っているTear Lakeについてです。
この曲は、当時ハマっていたHomeshakeとかの界隈を自分なりに作ってみたいなと思っていてできた曲です。 制作ノートということで、作曲した時の話を細かく掘り下げてみたいと思います。細かい話になってしまいますが、ご了承ください...。
ギターって、基本的に一番低い音が中心になってコードが鳴りますよね。たとえば、Cm7だったら、一番低い音はCになります。 最近作曲のときには、これを崩して弾いてみることで活路が見えるときがあります。
例えばCm7だったら構成音はC,Eb,G,Bbになるわけですけど、そのうちGとかBbを一番低い音にしてコードを組み立ててみると、気づかなかった展開ができたり、雰囲気が変わったりすることがあります。Elliot Smithもこの動画で、五度を一番下にするのが好きという話をしていますね(3分10秒くらいのあたり)。
作曲のときにそんな風にしてコードを崩すのにハマっているのですが、この曲はDM7を崩して低い方からA,D,F#,C#っていう弾きかたをしてみて、そこから展開した曲です。押さえかたは、6弦から、5,5,4,6です。そこから上にずらして、次のコードが6,7,5,7になりまして、お、なんかいい感じだなとなってAメロができました。
サビは、やっぱりSparklehorseみたいに綺麗なメロディがほしいなと思って、コード進行はメロディに合わせて入れていった感じです。
2016年くらいから広まってきたLo-fi Hip Hopも当時聴きまくっていたので、あのずっと同じものが繰り返されている質感もほしくて、リズムギターとリズムマシーンはあえてループでずっと同じものを流して、その上に他の楽器を重ねています。ちょっと曲の深みが削れた感じがするけど、それがまた気に入っているポイントでもあります。
あとはこの曲はノイズの編集がすごい楽しくできました。ピッチを下げたコーラスは、Triathalonとかが取り入れていてかっこいいなと思っていたので、今回取り入れられてとても満足しております。また、以前からいい音だなと思っていたデータ通信の黎明期っぽい音とか、シンプルだけどアナログディレイの発振の音とか、やっぱいいですよね、、。
歌詞は、舟を作ったり、家の中で火をたいたり、涙の海で溺れないように息を止めたりするお話です。か弱い優しさや秘密を守るために海に沈むことにした人の話です。
最後の声は、You like or love something or someone, because you have the feeling of @#^*&. what’s that feeling?(何か、あるいは誰かを気に入ったり好きになったりするのは、@#^*&という感情があるからでしょう。その感情って何?)と言っています。
ちなみにライブではこの曲、ノイズパートがパワーアップしてとてもかっこよく仕上がっています。 5月6月で3回ライブの予定がありますので、興味があったら特設サイトからチケット予約して、ぜひいらしてくださいね。
Taku Sudo