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"Imaginary Lights Never Fade" 制作ノート ⑥ -Miyoko-

須藤監督にハードルを上げられてしまいましたが笑、本日はアルバム中盤の轟音曲"miyoko"に関する制作ノートをお送りします。

まず、この曲は、今回のアルバム制作過程で生まれた新曲ではなく、10代から20代へ突入する狭間の頃(?)に作曲した人生初の宅録曲です。制作当時、大学からギターを弾き始め、人より遅いギター人生のスタートを切った私は、手の小ささも相まって、ギターの腕が中々上達せず。技術を習得するには大分時間がかかりそうだ、ということで専らエフェクターを用いた音作りに熱中していました。それこそ当時は、My Bloody ValentineやAstrobrite、Swirlies、Monolandなどのシューゲイザーやノイズを沢山聴いていたと思います。

Monoland- yuriko

ちょうど自分が20歳を迎えた誕生日に、とても絵が上手い親友から、自作の油絵をプレゼントしてもらい。感動とともに、自分も何か手作りのお返しがしたいな…と考えていた矢先に思いついたのが、宅録で。それによって生まれた親友へのプレゼントが"miyoko"でした。

(miyokoのきっかけとなった油絵 ※一部抜粋)

初めての宅録ということで右も左も分からないまま、なぜか一人で深夜練を決行して7時間ギターノイズを録音したり、そもそもインターフェースやマイクを買いに行くところから始まったり…中々の迷走ぶりでしたが、今や広く世に名のしれた某偉大なるサークルの先輩に編曲やミキシングをサポートいただき、実力以上の音源が完成しました。冒頭4つではなく8つのコードで進行することによって生まれる壮大な雰囲気や、何本も重ねられたギターノイズのコンビネーション、ダブルボーカルによるサビ部分など気に入っています。

大学時代結成したオリジナルバンドでもこの曲は演奏していましたが、人生の岐路を迎え、そのバンドは解散。しばらく、"miyoko"はお蔵入りとなっていました。

昨年秋頃、アルバム制作締切まで半年を切りながらも、まだ収録曲の半分も完成していなかったSmokebees一同は緊急ミーティングを開き、私は須藤監督に"miyoko"の収録を持ちかけてみました。監督は即答で賛成してくれ、そこから急いでサポートバンドメンバーにレコーディング参加をお願いし、3ヶ月ほどでレコーディングからミックスまでを完遂したと記憶しています。 相変わらずぎりぎりのスケジュールで進行していたために、サポートメンバーには、スタジオ練習ゼロでいきなりレコーディングという大苦行を強いてしまいましたが、実力も人格も大変素晴らしいサポートメンバーの皆は文句一ついわず最高の演奏を。 さらに、CAUCUS柳川先生にこちらの曲でもレコーディングを全面的にサポートいただき、奇跡の"miyoko"テイクが重ねられていきました。ギターはおそらく全部で30本ほど入っています(笑)。

イントロからAメロに入る部分の轟音ノイズは、お気に入りのfuzz factory(ハンドペイント)を踏んでいます。

ミキシングは自分で行いましたが、100を超えるトラックを前にPCが何度か燃え尽きそうになりました。 色々な奇跡や縁の結集によって、10年の時を経てリメイクされた"miyoko"を、是非お楽しみいただけたら幸いです。

長くなりましたので、今日はこのあたりで。

Miki Hirose


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