"Imaginary Lights Never Fade" 制作ノート ⑨ -World Is Yours-

今回は、World Is Yoursについてです。 2016年9月にSound Cloudにアップしたところ人気が出て、信じられないながらもありがたく、いつか音源化したいねと話し合っていた曲です。アルバムの話が決まったときに、この曲はすぐに収録が決定しました。 実はこの曲、2014年くらいに須藤がdesksnailで作ってお蔵入りになっていた音源でもあります。 今日は、この曲にまつわる話を時系列で振り返ってみたいと思います。 そもそもことの発端は、Boys Age。desksnailの活動前から仲良くしていたこのバンドと、2014年あたりにスプリットを出そうという話になりました。確か当時のBoys AgeはRoan Horsesを出してしばらく経った頃だったかな。desksnailは全然活動をしていなくて、苦しい時期だったのですが、スプリットの話が出てこれは頑張らなくてはと気持ちが引き締まりました。

海外で売れている彼らとのスプリットということで、壮大な曲を作ってみたいと思いまして、それこそSparklehorseやその直系と名高いA Grave With No Nameをモチーフにして作ったのが、World Is Yoursでした。 この時にできたデモから、大きな変更はなくアルバム収録のバージョンまでアレンジは残っています。 生ドラムが絶対に必要と思い、デモの録音の際にドラムの演奏をお願いしたのが現在yuleで活躍中のfumiくん。彼はdesksnailのライブもよく手伝ってくれていたよい友人で、リハもなしに一発でドラムのレコーディングをお願いしたのでした。 細かい話は割愛しますが、Boys Ageとのスプリットの話は時間が経つうちに流れてしまって、完成したデモは公開されることなくお蔵入りになってしまいます。 そして、2016年1月にSmokebeesが結成し、Swimming Soulsを8月にリリースした一週間後くらいに、私はデンマークへ飛んだのです。 遠距離バンドとなったSmokebeesの活動第一弾として、9月にリリースができたら良いねという話をしていましたが当然新曲を作る余裕もなく、、そんな中でWorld Is YoursをSmokebeesの曲としてリリースすることに白羽の矢が立ったのでした。 こうして、みきちゃんによる再ミックスとアレンジを経て、Sparklehorseのマーク・リンコスの誕生日に当たる9月9日、サウンドクラウドにリリースされたのでした。 サウンドクラウドに上がっている2016年バージョンは、世界中で再生していただいて、今なおSmokebeesのサウンドクラウドでは一番再生数の多い曲です。

そしてアルバム編ですが、2016年にサウンドクラウドにあがったものは演奏自体は2014年のものなので、やはり全編取り直した方がよいだろうと考えて、０から撮り直すことになりました。 ドラムは、数年ぶりにこの曲を演奏するyuleのfumiくん。 ドラムの録音のエンジニアはyuleのReiくんがやってくれました。エレキギターはみきちゃんの演奏を、CAUCUSの柳川さんのお宅でリアンプして録音させていただきました。ベースは須藤の従兄弟のベーシストにお願いし、自宅で二人で宅録しました。その他の楽器は須藤が演奏しましたが、キーボード類は実は2014年のトラックを採用しています。 こうして考えると、数年の時を経て、2014年の自分と2016年のみきちゃん、2018年のfumiくんや従兄弟を始め皆様の演奏やアイディアが集結した曲なのですね。。。 みきちゃんの宅録の歴史がつまった曲がMiyokoなら、須藤の歴史がつまっているのはWorld Is Yoursなのかもしませんね。 歌詞は、Sparklehorseの"It's a wonderful life"へのアンサーソングみたいなイメージで作りました。マークは世界の小さな挙動、生き物の息遣いを通して世界の美しさを歌いましたが、The World Is Yoursも同じように、当時感じていた世界の美しさを、世界中の小さな例を通して歌っているつもりです。すべては理由があって、苦しいことも幸せなこともすべてつながっているから、世界は自分のものなんだよ、っていう曲です。

ちなみに、中盤のエレキギターのソロは、いつまで経っても大好きな銀杏BOYZを参考にしました。 須藤による制作ノートはこれで最後になります。これまでお付き合い下さいまして、ありがとうございました。 6月29日のレコ発は現状予約完売となっておりますが、お越しになれる皆様は、お会いできるのを楽しみにしております！