"Imaginary Lights Never Fade" 制作ノート① -Playpark-
こんにちは。
バンド初の、そしてわたし自身人生初となる1stアルバム”Imaginary Lights Never Fade”をリリースして、早くも1ヶ月が経ちました。皆さん、音源はお聴きいただけましたでしょうか。
制作は山あり、谷あり。終盤は、ミックス→仕事→レコーディング→帰宅☕→ミックス→仕事→レコーディング…をエンドレスループする文字通り恐ろしい日々でしたが、無事に作品として大成することができて良かったなと、感動ばかりの1ヶ月でした。
改めて制作中、我々を励まし、支えて下さった皆さん、CDを手にとって下さった皆さん、本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、アルバムを世に送り出せたと言っても過言ではありません。
さて、今回の作品もドリームポップ、シューゲイザー、オルタナ、フォーク、ノイズ、チェンバーポップとそれぞれの楽曲は過去作以上に多様な仕上がり(?)となりましたので、今日から一曲ずつ制作ノートを公開していきたいと思います。
まず、一曲目は「Playpark」。
「Playpark」は、今回のアルバムで一番最初に断片ができた曲です。“アルバム”ということで、「人生の軌跡を、写真のアルバムをめくっていくような作品にしたい」だとか、「一曲目は、時計の針を巻き戻して記憶の旅に連れて行ってくれるような役割をもたせたい」だとかあれこれ考えていた時期に「Playpark」の断片ができました。イントロのノイズは、北欧を旅した時にフィールドレコーディングした本物の遊園地ノイズです。そこから着想を得て、寂れた遊園地にある回転木馬の記憶のようなものをテーマに音像を膨らませていった気がします…?
Smokebeesはお互い離れた場所で生活していることが多いので、デモ音源と制作ノートをインターネット上で共有して、それを踏まえて相手方が自分のパート(主に歌やギター)を宅録するやり方で共作してきましたが、絵本の朗読のような私の仮歌と無理やりピッチを落とした男性声風ノイズが入った新曲を聴いて、須藤さんがどのような不安に駆られたか…想像すると少し申し訳なくなります(笑)。しかし、この須藤さんという人は、こういった曲者のデモを上手く解釈してくれる名手で、送り返されてきた歌とイメージにぴったり合う(本物の)ラジオノイズを聴いて、これは良いアルバムになる…!と確信しました。
「Playpark」を制作していた頃、色々な幸運でイケミズマユミさん(ex:bridge、日本ネオアコ山脈の中心となられたレジェンド)のソロプロジェクト”three berry icecream”でサポートギターを弾かせていただいていた私は、持ち前のB型ぶりを発揮して、マユミさんにアコーディオンでのレコーディング参加を申し込み…さらには、レコーディング前日にして「アコーディオンのレコーディングって一体どうやるのだろう。マイクは57?コンデンサ?」と初歩的な悩みを抱えていたところ、CAUCUSの柳川師匠にまでレコーディングエンジニアとして参加いただけることになり。
強運と二人のレジェンドの力をお借りして「Playpark」の素晴らしいアコーディオン・ソロが生まれました。当時は、一日を争う過密スケジュールだったので、マユミさんには、事前に簡単なコード譜と楽曲のイメージしかお渡しできず。大無礼講のぶっつけ本番レコーディングでしたが、「みきちゃんが好きなfeltをイメージしてフレーズを考えてきたよ」と天使の笑顔でおっしゃっるマユミさんのアコーディオンは、まさしくfelt。目の前で起こる化学反応に驚きと感謝と感激と、色んな気持ちが渦巻きました。天晴れ、レジェンド マユミさんの実力。
斯くして、レコーディングはものの2〜3時間で無事終了。マユミさん、柳川さん、本当にありがとうございました。
一曲目の解説から大分長編となりましたので、今日はこのあたりで。
是非、アルバムは一曲目から通してお聴きいただけたら嬉しいです。
今日の一曲は、「Playpark」のイメージとしてマユミさんにもお送りした大好きなブリストルのduo、Misophoneより。
Misophone - Hide from Reality
2019/04/23
Miki Hirose